【足利】市消防本部は11日までに、2024年の火災と救急の統計をまとめた。火災の発生は38件で、統計が始まった1963年以来で2番目に少なかった。一方、救急出動は6792件に上り、昨年に次いで2番目に多かった。感染症の流行などが影響した。

 火災は前年比16件減で、種別は建物17件、田んぼなどその他10件、車両6件、林野5件だった。損害額は約1651万円で、前年に比べ5630万円の減少だった。

 出火原因は、電気関係の配線が火元となる「電灯電話等配線」が7件と最多。放火5件、放火の疑い3件と続いた。放火を巡っては、23年12月~24年1月に山林火災が相次ぎ、森林法違反(森林放火)罪などで男が逮捕され、有罪判決を受けている。

 同本部は「乾燥しているので、屋外で焼却行為をしないでほしい」と注意喚起している。

 救急は過去最多だった前年に比べ89件減少した。1日当たりの平均出動件数は18・6件、最多出動は36件だった。

 搬送人員は5931人で市民23人に1人が救急車で搬送された計算となる。そのうち、80~89歳が1753人と29・6%を占めた。70歳以上の高齢者は3705人で全体の62・5%を占めた。男女別では男性が女性に比べ353人多かった。

 同本部によると、インフルエンザなどの流行に加え、高齢者世帯が増えたことが影響したという。担当者は「救急車は限られた資源。適正利用をお願いしたい」と呼びかけている。