地域再生大賞で最高賞に輝いた「そらいろコアラ」

 下野新聞社など地方新聞47紙とNHK、共同通信が、地域活性化の取り組みを応援する「第15回地域再生大賞~今、ここで暮らしたい切り拓(ひら)くエネルギー」の各賞51団体が25日、決まった。大賞(副賞100万円)に、真岡市を拠点に妊娠や子育てに悩む人の相談や居場所づくりに取り組むNPO法人「そらいろコアラ」(団体所在地は小山市)が輝いた。本県関係の団体が最高賞を獲得するのは初めて。

 そらいろコアラは2020年に設立され、「妊娠・育児の孤立を防ぎ、不適切な養育と、その連鎖をとめる」を使命に掲げて活動する。365日対応するLINE(ライン)を活用した無料相談窓口「コアLINE」のほか、真岡市内の拠点「そらいろポケット」での居場所づくりや子ども食堂、物資提供、親子の体験イベントなどを展開してきた。

 小児科医の増田卓哉(ますだたくや)共同代表理事(35)をはじめ、看護師、助産師、社会福祉士、管理栄養士ら医療・福祉の専門職と、高校生から中高年までのボランティア計約100人が手を携える。助けを必要とする人々の目線に立ち、ハードルの低い手段を工夫して手を差し伸べる「アウトリーチ」による支援で、行政や専門機関とも広く連携する。

 選考委員からは「きめ細かな相談を通じて専門的な支援にまで結びつける仕組みを地域の中でつくり出している」「望まない妊娠、経済的な問題、ひとり親世帯など支援が必要な人が多い現状に対応した素晴らしい取り組み」と評価された。

 準大賞(20万円)は、「城泊」など歴史的街並みを生かした観光振興を進める「キタ・マネジメント」(愛媛県大洲市)、就労支援事業を通じて駅ににぎわいをもたらした社会福祉法人「ながよ光彩会」(長崎県長与町)。第15回記念賞(同)1件、特別賞(10万円)2件、ブロック賞(同)6件のほか、各地の39団体が優秀賞に決まった。

 表彰式は大賞や準大賞、第15回記念賞、特別賞、ブロック賞の12団体を招き、2月27日に東京都港区の共同通信本社で行う。