指導を受けながら豊年棒を作る児童

 【大田原】五穀豊穣(ほうじょう)を祈る伝統行事で用いる「豊年棒(ほうねんぼう)」作りが17日、湯津上小で行われた。5、6年生約50人が、湯津上地区社会福祉協議会員や保護者の手ほどきを受けながら制作に挑戦し、地域に根付く伝統文化に触れた。

 豊年棒は稲わらを縄で縛った棒状の道具。子どもたちが十五夜と十三夜の日に地域の各家庭を回り、「豊年棒、豊年棒」と歌いながら地面をたたいて豊作を祈る。地域によっては「ぼうじぼ」と呼ぶ。

 豊年棒作りは同社協の世代間交流事業の一環で、統合前の旧湯津上小、旧佐良土小、旧蛭田小の各校で行っていた。今回は3校統合後、初めて実施した。

 児童は6班に分かれ、縄のよじり方や縛り方を教わりながら、長さ約60センチの豊年棒を1人1本ずつ制作した。完成後は地域ごとに異なる豊年棒の歌を歌い、床をたたいて行事を再現した。6年蜂巣真唯(はちすまい)さん(11)は「手持ちの部分を作るのが難しかった。小学校最後の良い思い出になった」と話した。