宇都宮市役所

 【宇都宮】市は5日の市議会議員協議会で、本来必要な議会の議決を経ないで2020~24年度に計約9億4700万円の小中学校教師用教科書と指導書を購入していたことを明らかにした。

 市の条例では、1件6千万円以上の財産の取得は議会の議決が必要と定められている。市教委学校管理課が議決対象の財産と認識していなかったほか、同課以外のチェックを行う機会を設けていなかったという。

 全国の自治体で同様のケースが相次いで発覚したため、記録が残る24年度までの5年分を調査した。計5件確認され、内訳は20年度が計3億5400万円、21年度は計約1億4800万円、24年度は計約4億4500万円の契約を締結していた。開会中の9月定例会に追認議案を提出する。

 佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「市民と議会の信頼を損ね、誠に申し訳ない。適正な事務執行に向け一層意識を高める」と陳謝した。