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自民党総裁選への立候補を表明する茂木氏=4日午後2時45分、東京都港区

 自民党の茂木敏充(もてぎとしみつ)幹事長(68)=衆院栃木5区=は4日、東京都内で記者会見し、党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を正式に表明した。「目標を掲げ、チームを束ね、結果を出す。3年以内に結果が出なければトップが責任を取る」などと決意を述べた。本県選出議員の立候補は、1993年の故渡辺美智雄(わたなべみちお)元副総理兼外相以来31年ぶりとなる。

 総裁選に名乗りを上げたのは茂木氏で5人目となった。この日の記者会見で、茂木氏は出馬に伴い5日から幹事長権限を党総裁の岸田文雄(きしだふみお)首相へ移す考えも示した。

 成長戦略の推進による「増税ゼロ」を主張。岸田政権の主要政策である防衛力強化と子育て支援策は継続するとした一方で、財源となる増税や保険料の追加負担の各1兆円は停止するとした。経済成長で見込まれる税収や税外収入の増加など新たな財源確保策で対応するとの見解を示した。

 政権の最優先目標として「一人一人の所得、年収をアップさせる」と強調した。実質賃金のプラスを定着させ、半年以内にデフレ脱却を宣言できる状況にするとも表明した。

 党派閥裏金事件で焦点の一つとなった政策活動費は廃止を明言。政治資金パーティーの収益を事業収入として納税する法改正にも言及した。

 出馬を決断した背景については「誰が総理になっても厳しい政権運営が強いられる。地元や仲間の議員から背中を押され、それでもその先頭に立ちたいという思いを確定させたのは先週のこと」と説明した。

 自身の政治姿勢については、小学生の時に足利市内の分校に通っていたことに触れ、「地方の活力アップが原点」と述べた。民間企業での経験、経済政策や日米貿易交渉など閣僚としての実績もアピールした。

 茂木氏は同市出身。東京大卒業後、大手商社を経て米ハーバード大大学院修了。93年に日本新党から出馬し衆院選初当選。95年、自民に入党した。現在10期目。外相や経済財政担当相、党では政調会長や選挙対策委員長などを歴任し、2021年11月から幹事長を務める。