フードバンクうつのみやが事務所2階に整備したスペース=宇都宮市宝木町2丁目

フードバンクうつのみやが事務所2階に整備したスペース=宇都宮市宝木町2丁目

 認定NPO法人「フードバンクうつのみや」は、4月に移転した宇都宮市宝木町2丁目、新事務所2階に整備したスペースの利活用者を募集している。子ども食堂など地域住民らが集う「居場所」としての活用を想定し、1回限りから定期的な使用まで無料で貸し出す。同法人は「誰かを支援したいという思いを持った人に使ってもらえれば」と話す。食品を求めてフードバンクを訪ねた家族らが気軽に利用できる場になることも期待している。

 同法人は同市塙田町2丁目の旧事務所の老朽化に伴い、4月に新事務所へ移転した。木造2階建ての1階に事務所が入る。物件管理者の「子どもや地域住民の居場所としても活用してほしい」との意向を受け、住居だった2階の一部も併せて整備した。

 活用できるスペースは約82平方メートルでダイニングキッチンや風呂場がある。テーブルや洗濯機、冷蔵庫も設置した。4月から貸し出しを始めたが利用は少ない。特定の家庭を対象とした子ども食堂が月1回、地域住民らのサロンが月2回開かれているという。

 同法人は他の子ども食堂や学習支援の場など、子どもに関連する居場所として活用してもらうことを念頭に、広く利用者を募集。無料で1回限りの開催も可能としている。

 同法人の牧岡健(まきおかけん)理事長(46)は「居場所に来る人の生活状況に応じてフードバンクにつなげたり、逆にフードバンク利用者が悩みを打ち明けたりする場になることも期待できる」と語る。同じ場所にある“地の利”を生かしたい考えだ。

 一方、4~5月のフードバンクへの食品寄付量は前年同期比で半減した。牧岡理事長は事務所移転の周知が進んでいないことなどを理由に挙げ、「整備したスペースも含めフードバンクの存在を地域に広げたい」と話す。食品の寄付も幅広く募っている。(問)同法人028・678・2089。