台風10号の接近に伴い、栃木県内では今週末に各地で予定されていたイベントなどの中止決定が相次いだ。

 宇都宮国道事務所は29日、宇都宮市平松町の同事務所で31日に予定していた「宇国サマーフェス」の中止を決めた。

 建設機器車両の展示や作業体験など通じて道路の役割や重要性を伝える初開催のイベントで、近隣の小中学生ら約200人の参加を想定していた。担当者は「来場を呼びかけてきたのに申し訳ない。安全を優先した」と残念がった。

 市貝町は町中心部などを会場とした31日の「サシバの里いちかい夏まつり」と「夏だ!花火だ!サシバの里浴衣祭り」の両イベントを中止に。大田原市は整備が必要な道路を行政職員や地元住民らが確認する30日の「とちぎの道 現場検証」を取りやめた。

 県と矢板市は9月1日に同市末広町の市文化スポーツ複合施設などで予定していた総合防災訓練を中止した。行政や消防、医療関係者ら約800人の参加を見込んだが、会場が指定避難所になっていることや屋外の物品が飛散する可能性を考慮。県危機管理課の担当者は「有事の際に防災関係者が対応できるよう、事前にリスクを回避することにした」と説明した。