ハートフルフェスタの人権講演ライブで演奏する増田さん

 【佐野】人権について考える本年度の「ハートフルフェスタ 『誰か』のことじゃない。」(市、市教育委員会、足利人権啓発活動地域ネットワーク協議会など主催)が24日、葛生あくとプラザで開かれた。バイオリン演奏による講演ライブ、子どもたちの作品を展示した啓発ポスター展や書道展などが行われた。

 講演ライブ「笑顔でつなぐハーモニーコンサート」は、作編曲家でバイオリニストの増田太郎(ますだたろう)さんが“演奏者兼講師”を務めた。

 増田さんは20歳で視力を失ったが、バイオリニストとして生命力あふれる演奏で活躍するほか、映画やテレビなどの音楽制作にも携わり、人気番組の楽曲も手がけている。

 講演ライブでは、増田さんと東日本大震災で被災した中学校との交流から誕生した楽曲「生きる」や、名曲「見上げてごらん夜の星を」などを演奏した。

 増田さんは自らの経験にも触れながら、「人は一人で生きられないし、生きるべきでない」と、多くの人々との出会いや絆の大切さを訴えた。その上で人権について「お互いに思いやるところから始まると思う。その時に大切なのは笑顔だと思う」などと述べた。

 増田さんの演奏と人権への思いに対し、来場者からは「言葉を超えて伝わってきた。バイオリンの音色とともに、とても心に響いた」との声が上がっていた。