【宇都宮】公共交通の利用促進策を展開する市は23日の定例記者会見で、清原地区の住民を対象に実施した次世代型路面電車(LRT)開業前後での公共交通の利用変化に関するアンケート結果を公表した。移動手段を「ほぼ車」とした回答がLRT開業前の70%から開業後は52%まで減少したのに対し、「公共交通と車を使い分け」は25%から43%に増加。車から公共交通への転換傾向が明らかになった。
市は2023年8月のLRT開業後、沿線の同地区ゆいの杜、清原台など約8千世帯に、LRTや路線バスの経路検索サイトの紹介などの情報を記載したチラシを配布するとともに、アンケートへの協力を求めた。その後、9、10月と11、12月の2回、ウェブアンケートを実施し、656人から回答を得た。
1回目は開業前後に当たる7月と9、10月の変化を尋ねた。「ほぼ車」は7月の70%から9、10月は55%に減少し、「公共交通と車を使い分け」が25%から39%に上昇。2回目は「ほぼ車」が52%、「公共交通と車を使い分け」が43%に変化し、公共交通を移動手段に取り入れる人がさらに増加した。
佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「LRT開業に伴って、取り組んできた利用促進策の効果が表れた。これからも工夫を続けて、公共交通と車が共存できるまちをつくりたい」と話した。
市交通政策課によると、移動手段の転換が顕著だったのは子育て世代やLRT停留場近くに住む人。同課の田代卓也(たしろたくや)課長は「公共交通が便利になったタイミングで(経路検索サイトなどの)情報提供をしたことも効果の一因」と分析した。
市は本年度、平石地区の約7千世帯でも同様のアンケートを予定している。