鈴木恵美氏

 「町が女性活躍時代の波に乗ってきたという感じがする。私以外の女性が立候補したとしても、そういう風潮になった」。町長選初の女性立候補者となった背景をこう冷静に捉える。

 日光市(旧藤原町)出身で、結婚を機に移住して37年。少子高齢化が進む「町の衰退」を憂えてきた。初めて挑んだ2017年町議選で落選したが、「前向き」に切り替えた。勉強し直して再挑戦した21年、トップで初当選を果たした。

 母子家庭で育ち、母親と同じ看護師の道へ。妻、嫁、母、祖母などさまざまな「女性」を経験し、自身の強みは「弱い立場、強い立場関係なく、人のために寄り添えること」という。

 「物から人への投資」をうたい、政策の基本に医療福祉を据える。町議として訴えてきた保育園ナースの導入や、学校給食費無償化などに意欲をみせる。

 中学1年から演奏するクラリネットを町内の楽団で担当し、老人施設などで慰問演奏する。熊ノ木の自宅に夫、長女、孫2人と5人暮らし。