先祖の霊を導くため立てられたタカンドウロウ

 【大田原】お盆にご先祖さまが道に迷わずに家に戻れるよう願う「タカンドウロウ」が市内民家の庭先に立てられている。那須地区一帯などの初盆に行われる習わしといわれる。1日から明かりがともされる。

 タカンドウロウは「高竿灯籠」「高灯籠」などと表記される。竹2本を十文字に組み、灯籠をつるす。高さは7メートルほど。「8月1日に地獄(あの世)の釜のふたが開き、先祖の霊がそれぞれの家に旅立つ」と伝わっている。

 両親の初盆を迎える親園、小針一郎(こばりいちろう)さん(72)は「2人とも亡くなったが、少し落ち着いてきた。もう初盆だなあ」とじみじみ口にした。湯津上の造園業木村光一(きむらこういち)さん(78)はことし、約30本を請け負って立て「時季を感じます」と語った。