この夏、地獄へ-。「六道地獄絵図」を所蔵する光琳(こうりん)寺(西原1丁目)と街なかの飲食店などがコラボしたイベント「美味(おい)しい地獄巡り」が8月1~31日、初めて開かれる。地獄をテーマに、新たなにぎわいづくりを目指す。
巡り先となるのは光琳寺をはじめ、うどん店「今日、うどん」(伝馬町)、青源味噌(みそ)の直営で発酵食品を扱う「青源本店」(旭1丁目)の3カ所。
参加者は最初にうどん店で期間限定の激辛冷製「地獄うどん」(1500円)を食べ、地獄を舌で体験。懺悔(ざんげ)札をもらう。札には自分が懺悔することを記入する。
続いて光琳寺で懺悔札を奉納し、限定免罪符ステッカーをもらう。六道地獄絵図(二幅、各縦約135センチ、横約161センチ)のご開帳は通常8月16日のみだが、今年はイベント期間中となり、地獄を見ることができる。
そして青源本店へ。免罪符ステッカーを見せると、微生物が生きている生みそを使った「生みそソフトクリーム」が無料でプレゼントされる。最後は甘さで癒やされ、極楽へ誘われるという流れだ。
イベント発起人でうどん店の島野雅人(しまのまさと)代表(38)は「昨年、六道地獄絵図を見て、いろいろな人に見てほしいと思ったのがきっかけ」と振り返る。「飲食店も関われば情報を広く伝えられるのではと考えた。毎年、参加店舗を増やし、町の恒例イベントにしたい」と意気込む。
光琳寺の井上広法(いのうえこうぼう)住職(44)によると、同寺の周辺は六道といわれ、「六道閻魔(えんま)堂」ではかつて祭りが開かれ、にぎわった。「寺にあった江戸時代の巻物にも、閻魔様が町の人たちの厄よけの信仰を集めていたことが書かれていた」と井上住職。「寺の中だけでは認知度は上がらない。ちょうどお盆の時期でもあり、往時のようなにぎやかさを復活できれば」と話している。