【栃木】第1回路傍の石文学賞を受賞した児童文学作家灰谷健次郎(はいたにけんじろう)さんの関連作品や写真を集めた企画展「灰谷健次郎とその世界展」(NPO法人山本有三(やまもとゆうぞう記念会主催)が27日から、市栃木図書館で始まる。8月3日まで。
灰谷さんは小学校教師を退職後、子どもたちと全力で向き合う女性教師像を描いた小説「兎(うさぎ)の眼(め)」を発表し、ベストセラーとなった。1979年には、市出身の文豪山本有三の功績をたたえた石川文化事業財団の第1回路傍の石文学賞を受賞。2006年に死去した。
今回は有三没後50年の記念事業で、有三が目指した青少年教育や灰谷文学への理解を深め、休止している同文学賞復活への機運を高めようと企画した。灰谷さんの作品約50冊と、市内で行われた同文学賞の贈呈式や教師時代などの写真約30点を展示した。
同文学賞の歴代受賞作家の児童書約100冊も並べた。三室忠央(みむろただお)事務局長は「この機会に灰谷作品を手に取り、子どもへの優しさにあふれた世界観に触れてほしい」と呼びかけている。
午前10時~午後5時(最終日は4時)。入場無料。28日午後1時半から1979年製作の映画「兎の眼」の上映会を開く。先着30人。(問)同図書館0282・22・3542。