【那須】町は25日の町議会議員全員協議会で、湯量減少や、湯の濁りなどのため昨年11月から臨時休館している湯本の町営日帰り入浴施設「那須いこいの家」を廃止し、跡地の利活用を検討する方針を明らかにした。営業再開には多額の設備投資が必要なことなどから、総合的に判断したという。
同施設は1970年にオープン。当初は宿泊可能だったが、2022年4月から日帰り入浴施設に転換した。その後、温泉の湯量減少や温度低下、湯の濁りが発生し、温泉水の検査で公衆浴場法に適さない水質であることが判明した。
町は臨時休館中に施設存続の是非を検討し、老朽化に伴う建物本体の改修や湯導管の敷設替え、温泉滅菌設備の新規導入などで計約7千万円の費用が必要と試算。23年度の赤字が約1500万円に上った運営状況なども踏まえ、施設を廃止する方針を決めたという。
町議会9月定例会に関係条例の廃止に関する議案を提出する予定。町観光商工課の増子政秀(ますこまさひで)課長は「跡地の利活用については、本年度から進める那須ロープウェイを核とした湯本地区活性化事業の中で検討していく」との考えを示した。