酷暑に負けず夏を乗り切るスタミナを付けようと、「土用の丑(うし)の日」の24日、県内各地では多くの人がウナギ料理に舌鼓を打った。
昨年にリニューアルオープンした日光市今市の老舗「魚登久(うおとく)」には、午前11時の開店前から予約客らが続々と訪れた。
同店では静岡県産のウナギを日光の地下水で泳がせた後、調理する。この日は持ち帰りと店内用で計1千食を用意。3代目店主相賀昭二(あいがてるじ)さん(65)が「蒸し」を終えたウナギを1912年の創業以来継ぎ足しているたれに付け、備長炭でふっくらと焼き上げた。
相賀さんによると、稚魚の漁獲量の低下や物価高の影響で国産ウナギの仕入れ値は昨年より3割以上高騰しているという。「経営努力で価格設定している。ウナギは日本人の文化。この時期に食べて夏を健康に過ごしてほしい」と話した。
友人と食した宇都宮市峰1丁目、会社員大根田忠生(おおねだただお)さん(57)は「土用の丑の日と仕事の休みが重なり、念願の来店がかなった。炭火の香ばしさとウナギの柔らかさが感じられ、甘過ぎないタレも好みです」と満足していた。