餌を探す2羽のコウノトリ=19日午後3時半、市貝町文谷(綱川弘之さん撮影)

 国の特別天然記念物で絶滅危惧種のコウノトリ2羽が19日、栃木県市貝町文谷(ふみや)の水田に飛来した。コウノトリが同町で確認されるのは珍しい。同所、建築業綱川弘之(つなかわひろゆき)さん(71)が撮影に成功した。

 綱川さんは数年前に趣味でカメラを始め、小山市の渡良瀬遊水地までコウノトリの撮影にも行っている。この日は午後3時過ぎに水田の見回りに行ったところ、アオサギと一緒に餌をついばむコウノトリを発見。携帯していた一眼レフでシャッターを切った。

 その後、2羽は鉄塔に止まり羽を休めると、再び水田の上空を飛んでいたが、カラスに追われる場面などもあり午後4時過ぎに西の山に消えた。1羽の足輪は黒く「J0645」の識別番号が確認できるため、昨年、兵庫県豊岡市で生まれたオスの可能性が高い。

 綱川さんは「たまたま視線を向けた先にコウノトリがいた。まさか自宅近くで見られるとは」と驚きを隠せない様子だった。