仲田裕之氏

 栃木銀行は10日、取締役会を開き、代表取締役頭取に仲田裕之(なかだひろゆき)常務(59)を昇格させる人事を内定したと発表した。2016年6月から8年間務める黒本淳之介(くろもとじゅんのすけ)頭取(65)は代表権のある会長に就く。6月27日の株主総会などを経て正式決定する。

 同行は交代の理由を「経営体制の強化・充実を図り、より一層の事業発展を目指すため」としている。

 同日、宇都宮市の同行本店で記者会見した黒本頭取は「(仲田氏は)責任感、判断力、バランス感覚に優れており、後任として任せられる人物だと判断した」と説明した。同席した仲田常務は「これまで注力してきた事業者の課題解決や資産形成のお手伝いをグループ一体となって強化していく。地域経済の発展に全力を尽くしたい」と抱負を語った。

 猪俣佳史(いのまたよしふみ)代表取締役副頭取(64)が取締役副頭取となることで、新体制では黒本氏、仲田氏の2人が代表権を持つことになる。

 仲田常務は1988年入行。東越谷支店長や管理部長、取締役越谷支店長、取締役経営企画部長を経て、2023年6月から現職。宇都宮市出身。福島大卒。

 黒本頭取は1981年入行。小山支店長や人事部長、取締役経営企画部長、専務取締役を経て、2016年6月から現職。小山市出身。法政大卒。

 黒本頭取は17年と22年に第二地方銀行協会長を務めたほか、21年には各機関と連携して企業の合併・買収(M&A)に取り組む支援体制「とちぎの結び目」を創設し、県内中小企業や小規模事業者の事業承継の円滑化にも尽力した。