取材成果を発表する富沢さん=3月27日、東京都江東区

声をそろえて提言を読み上げた参加者たち。前列左端が富沢さん

取材成果を発表する富沢さん=3月27日、東京都江東区 声をそろえて提言を読み上げた参加者たち。前列左端が富沢さん

 子ども向け紙面を作る全国の新聞社(12社)を通じて集まった「こども記者」が未来に向けて議論(ぎろん)する「第7回こども新聞サミット」が3月27日、東京都江東区の日本科学未来館で開かれました。本県からは宇都宮大付属小5年の富沢実生(とみざわみき)さん(11)=学年は当時=が「地球を守るためにできること」を話し合うチームに参加し、昨年開通した次世代型路面電車(じせだいがたろめんでんしゃ)(LRT)について取材した内容を報告しました。

 こども記者18人は「地球を守るためにできること」「国際理解(こくさいりかい)」「人手不足」の3テーマに分かれ、約2カ月、各地で取材を行いました。富沢さんはLRTが走る宇都宮市や運行会社宇都宮ライトレールの関係者に話を聞きました。

 LRTは再生可能エネルギーで動くため二酸化炭素(CO2)を出さないことや、バリアフリーに配慮して停留場(ていりゅうじょ)と車両に段差(だんさ)がないことなどを挙げ、利用者と地球、双方(そうほう)に優しい理由を説明しました。

 「『車社会なのが当たり前』と諦めず、どうすれば『脱炭素(だつたんそ)』できるか、みんなで考えた成果の一つがLRTです」と紹介。「大切なのはみんなで使うこと、そして良さを伝えることです」と訴えました。

 「国際理解」チームは、外国出身の選手も活躍(かつやく)する地元のプロバスケットボールチーム、「人手不足」チームはロボットなど先端技術(せんたんぎじゅつ)を活用する「スマート農業」に取り組む農家への取材などに挑戦(ちょうせん)しました。

 その後、国連広報センターの根本(ねもと)かおる所長らパネリストも参加し、サミットのテーマ「よりよい世界をつくるためには」の提言(ていげん)を話し合いました。

 発表を基(もと)に「異文化理解(いぶんかりかい)」「少子化解決」「CO2排出ゼロ」をキーワードに選出。「異文化・少子化・CO2 地球の課題は自分事 笑顔あふれる未来に向かって、発信しよう子どもから!」とまとめ、全員で読み上げました。

 根本所長は「地球と人類、どちらも救う提言になりました。私も国連で伝えたいです」と感心した様子で話しました。

富沢さんの感想 よりよい世界目指し実践

 私は、こども新聞サミットに同世代の人と意見交換したいと思い参加しました。

 事前には地球温暖化(ちきゅうおんだんか)に関する勉強会が開かれ、CO2排出量(はいしゅつりょう)を削減(さくげん)することが大事だと思いました。そこで、昨年開通したCO2排出量ゼロのLRTについて取材し、発表しました。

 サミットでは、国連広報センター所長の根本さんやほかのゲストが「よりよい世界をつくるためには」についてお話してくださりとても勉強になりました。

 ほかのチームの発表では、日本に住んでいる外国人にも関わる話が出てきました。私のクラスにも外国人の友達がいるので共感できました。

 取材やサミットを通じ、「よりよい世界」の実現には課題がたくさんあることを知りました。これからはまず、自分自身ができることを見つけて、身近なことから実践(じっせん)したいと思います。