文部科学大臣賞を受賞した風間さんの作品

風間瑞さん

文部科学大臣賞を受賞した風間さんの作品 風間瑞さん

 【足利】全国の小中学、高校生が出品する「第15回環境教育ポスターコンクール」で、白鴎大足利高1年の風間瑞(かざまみずほ)さん(16)が高校生の部の最高賞となる文部科学大臣賞を受賞した。人間が環境を破壊する行為をバランスゲーム「ジェンガ」に見立てた発想が評価された。風間さんは「制作の意図が伝わってうれしい」と笑顔をみせた。

 コンクールは環境に責任ある行動を取れる人材の育成などを目的に、こども教育支援財団が主催している。各部門に国内外から計5745点が集まり、うち高校生からは1845点の応募があった。

 風間さんは美術の特待生として同校に入学した。美術部顧問の大野(おおの)ますみ教諭の提案で、入学前の春休み期間などを利用して制作した。森林破壊や海洋汚染の問題を調べる中で、ジェンガが思い浮かんだという。「人間によって崩れていく生態系のバランスを身近なモノで表現したかった」と振り返る。

 人間の手が抜き取っているジェンガの柄に、密漁が問題となっている動物や破壊される森林、汚される海を描いた。「バランスの限界 手を止めて見直して」とのメッセージを添えた。

 審査員からは「ジェンガへの置き換えに新しさを感じた。じっとこちら見つめる動物たちの目も印象的」と評価された。都内で11月に行われた表彰式では作品の制作意図を説明し、「環境を守るために、エネルギーの節約に取り組みたい」とスピーチした。

 将来の目標は未定だが、「絵を通じて物事を多角的に捉え、自己の成長につなげたい」と決意を新たにしていた。