観光立県を掲げる栃木県には、魅力的な観光資源がそろっている。日本政府観光局によると、10月の訪日外国人客数は、新型コロナウイルス感染拡大後前を初めて上回った。このチャンスに県民は何で勝負しようとしているのか。ソニー生命が実施した「47都道府県別 生活意識調査2023」の結果をまとめた。

 「歴史的・文化的な名所の多さが自慢」と答えた都道府県民ランキングで、4位(31%)に輝いた栃木県。海外からの観光客に訪れてほしい観光スポット1位は、本県を代表する歴史的建造物でもある世界遺産・日光東照宮だった。「東京ディズニーランド」(千葉県)「国営ひたち海浜公園」(茨城県)などレジャースポットが強い関東圏で唯一、歴史スポットが入り、異彩を放った。

 海外からの観光客に薦めたいお土産・特産品は、イチゴが首位。日本一の出荷量と販売額をひた走る栃木県農産物の星だ。「とちおとめ」の作付面積を上回った新品種「とちあいか」は、果皮が固いことで知られる。流通筋からは「海外でも『クランキー』な食感は受けるだろう」という声も聞こえる。売り出し方も勝負どころになりそうだ。ちなみに食べてほしい地元料理の1位は、「餃子(ギョーザ)」だった。

 海外からの観光客に参加・体験してほしい地元のお祭りやイベントを尋ねる設問では、少し意外な結果が出た。国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産の「山あげ祭」(那須烏山市)や、国重要無形民俗文化財の「間々田のじゃがまいた」(小山市)などを抑えてトップだったのは、「ふるさと宮まつり」(宇都宮市)だった。

 1976年、進む都市化にあらがうように「心のふれあい」を求めて始まったのが宮まつり。そのDNAを引き継ぎ、今度は世界とつながろうという県民の思いが込められたのかもしれない。