器と楽しむお任せコースの一部

器と楽しむお任せコースの一部

 1年の終わり、ご褒美に特別なランチがしたい。

 訪れた店は、小峰一岐(こみねかずき)オーナーシェフ(36)が2020年6月にオープン。益子町でギャラリーを営む家に育ち、調理学校卒業後、日本におけるイタリア料理の巨匠片岡護(かたおかまもる)シェフの下で修業した。料理は特注の益子焼に盛り付け、和洋折衷を演出する。

 前菜5種の盛り合わせ、季節のスープ、パスタ、メイン、ドルチェのお任せコース(3500円)は、日によって内容が変わる。この日の前菜は、ピザ生地に青のりを混ぜて揚げたゼッポリーネ、旬のカキに生ハムを添えたつまみなど。まろやかな余韻が残るサワラのカルパッチョの隠し味はしょうゆ。和を取り入れる「片岡流」がなす技だ。

 白い器に黄色が映えるカボチャのポタージュは、濃厚で素材本来の甘みが生きている。続いて定番のキャベツとカラスミのパスタを選んだ。柔らかく煮たキャベツと、アルデンテに仕上げた麺にソースがしっかり絡む。ガーリックの香りが食欲をかき立てる。

 五感で味わい、おなかも心も満たされてもなお、次の料理が待ち遠しい。食を楽しむとは、まさにこういうことか。

 ◆メモ 宇都宮市馬場通り4の1の1 表参道スクエア1階▽営業時間 午前11時半~午後2時、同5~11時(完全予約制)▽定休日 不定休▽(問)028・688・8716