今年4月と7月に芳賀台地土地改良区(理事長・入野正明(いりのまさあき)市貝町長)の森田送水路が那須烏山市内の山中で2度にわたり破損した問題で、施設を保有する国が、破損した強化プラスチック複合(FRPM)管402メートルの本復旧工事に入る方針を示したことが、12日分かった。農業用水の需要期に合わせ、来年5月までに工事を終える見通し。
同日午後、市貝町役場で開かれた同土地改良区理事会で県が説明した。破損した既設のFRPM管(直径1・1メートル)の内部に直径1メートルの鋼管を挿入して管を強化する。さらに、2度の漏水で崩壊した山腹ののり面の工事を同11月までに実施。同送水路以外の全55キロの管路の調査も来年度以降順次行う。
入野理事長は取材に対し「工期の短縮を業者に要請したい。工事の状況も細かく受益者に伝わるよう連絡体制を強化する」と述べた。
本復旧工事は国直轄で行われ、事業費概算は4億9千万円。このうち県が30%、受益地の1市4町が受益面積等に応じ3・4%分計1666万円を負担する。最も多い市貝町は約650万円の負担が見込まれる。