フォーラムをPRする中村会長(中央)ら

 【那須烏山】烏山城の観光資源としての活用を目指す団体「野州八咫烏(やしゅうやたがらす)の会」は11月4日、会の発足5年を記念したフォーラムを烏山公民館で開く。3本足のカラス「八咫烏」を神の使いとして信仰する熊野本宮大社(和歌山県田辺市)宮司の講演とシンポジウムを行う。同会は「今年は烏山城が国史跡に指定された年。歴史を紹介し、来訪者の増加につなげたい」と意気込んでいる。

 烏山城は1418(応永25)年、那須氏によって築城されたとされる。城があった八高山に1羽のカラスが金色の幣束を落としたことが、築城のきっかけだったとする民話も伝わる。

 同会は2018年発足。築城600年を盛り上げるとともに、城を観光資源として活用して市の活性化を目指そうと、市内企業や団体の関係者らで組織した。これまでに向田(むかだ)の熊野神社に、熊野本宮大社の御霊(みたま)を分霊した摂社「八咫烏神社」を建立するなどの活動をしている。

 発足5年を記念した「日本八咫烏フォーラム」は、今年3月に城跡が国史跡指定を受けたことも記念して開く。熊野本宮大社の九鬼家隆(くきいえたか)宮司が同大社と八咫烏の関係などについて基調講演。シンポジウムでは、城跡の調査を担当する市学芸員や民話を伝える市民団体の代表者、カラスの生態などを研究する元大学教授ら7人が登壇する。

 同会の中村彰太郎(なかむらしょうたろう)会長(83)は「烏山の深い歴史を伝えることで、市民の誇りを醸成できればいい」と話した。

 午後1~4時。無料。定員150人で、今月27日まで来場予約を受け付けている。フォーラムに合わせて11月4日~12月3日、山あげ会館で城の地図などを記念展示する。(問)那須烏山商工会0287・82・2323。