脇障子を新調した寺町の彫刻屋台

 【鹿沼】「やっと鹿沼に秋が来た」-。市中心部で7日、5年ぶりに始まった鹿沼秋まつり。台風や新型コロナウイルスの影響による中止は、関係者にとって「長過ぎる4年」だった。その間、今宮神社祭の屋台行事で当番町を務めるも、祭りを行うことができなかった寺町と東末広町の住民は、待ちわびた思いを屋台とおはやしに乗せた。

 秋まつりは精緻な木工技術が光る彫刻屋台や、各町自慢のはやしを披露する鹿沼の秋の風物詩だ。

 「やっと若衆たちを送り出せた」。7日朝、会所から出て行く屋台を見送った寺町の自治会長黒浜利夫(くろはまとしお)さん(80)は安堵(あんど)した。