分湯式で巫女舞を奉納する塩原小中の生徒ら

 【那須塩原】塩原温泉の豊かな湯の恵みに感謝する秋の伝統行事「古式湯まつり」が24日、湯っ歩の里周辺で行われ、同温泉観光協会の関係者らが温泉街の発展を祈願した。

 狩衣(かりぎぬ)や白装束を着た関係者ら約100人が、湯本塩原の源泉でくんだ「御神湯」を運びながら温泉街を練り歩く分湯行列を実施。分湯式では巫女(みこ)に扮(ふん)した地元中学生らが舞を奉納し、おけに注がれた御神湯が各自治会の代表者に手渡された。

 同協会の君島将介(きみしままさゆき)会長(62)は「今年の行列は山車(だし)も加わり、いつも以上に華やかだった。多くの人を元気づけたのではないか」と話した。

 行事は江戸時代の大地震で途絶えた温泉の湧出が村人たちの祈りで復活したという故事にちなみ、源泉の湯を地元の各温泉神社に配るようになったことから始まったという。