栃木県内を車などで走っていると、たくさんの牛が飼育されている場所を見かけませんか。本県は牛や豚、鶏などを育てて肉や牛乳などを生産する「畜産」が盛んです。2021年の本県の農業産出額は2693億円ですが、このうち、およそ半分を畜産が占めています。

 家畜の飼育に適しているのは、涼しい気候ときれいな水。そのため、大田原市や那須塩原市、さくら市、那須烏山市、那須町といった県の北東部を中心に飼育、生産されています。大量消費地の首都圏に近いことも、畜産が盛んな要因です。

 特に生乳は22年の生産量が35万9211トンで、北海道に次いで全国2位を誇ります。皆さんが学校の給食で飲んでいるのは県産の牛乳です。乳牛というと白黒模様のホルスタイン種が思い浮かぶと思いますが、県内ではジャージーやブラウンスイスといった種類も育てられています。

 肉牛の飼育数は8万4400頭(22年2月現在)で、全国7位です。「とちぎゆめポーク」といったブランドで知られる豚の飼育数は、全国9位の35万6200頭。卵を取るための鶏は611万羽飼育されており、全国12位です。

 イチゴをはじめ、ニラやコメ、大麦、生乳など、県内では地域の特徴に合わせてさまざまな農産物が作られています。自分の生活に栃木の農業がどう関係しているのか考えると、日々のご飯がよりおいしく感じられるかもしれませんね。

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