【下野】薬師寺の史跡下野薬師寺跡で16日、古代の行事にちなんだ「エゴマ灯明(とうみょう)の会」が行われ、訪れた人たちは幽玄な光の世界を楽しんだ。
文化財を活用した市のまちづくり事業「東の飛鳥プロジェクト」の一環で、今年で14回目。古代下野国で仏を供養するために実施された「万燈会(まんどうえ」を現代風にアレンジしている。
当時使われた燃料を再現するため、南河内小中学校の児童が栽培したエゴマで油を取った。
辺りが暗くなり始めた午後5時半、坂村哲也(さかむらてつや)市長らが灯明を点火。その後、ボランティアがエゴマ油をたらした灯明皿約400個と、ろうそくを入れたカップ型灯籠約900個の明かりを順々にともした。来場者は場内を思い思いに歩き、オレンジ色に揺らめく光を写真に収めていた。
白鴎大1年大橋梨世(おおはしりせ)さん(19)は「実際に明かりがつくと神秘的に見える。ボランティアで準備に携わったが、幅広い年代の人たちと交流できてこの地域を学べた良い機会になった」と話した。
このほか、しの笛の演奏や、市内の古墳から水玉模様の衣装を着た埴輪(はにわ)が出土したことにちなんだファッションショーも行われた。