閉鎖の計画が示された盛田日光工場=15日午前、日光市土沢

 官民ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC、東京都)は15日までに、国内大手の食品関連グループ「JFLAホールディングス」(HD、東京都中央区)と子会社計16社の再生支援の決定を発表し、再生計画の中で子会社の一つ、しょうゆ・酒類・調味料製造販売「盛田」(名古屋市中区)の日光工場(日光市土沢)の閉鎖が盛り込まれていることが分かった。閉鎖時期などは未定。しょうゆ・調味料ブランド「マルシチ」の製品は盛田の他工場に引き継がれる方向という。

 食を軸とした生産・流通・販売分野で事業を展開するJFLAHDは東証スタンダード上場で、連結子会社は38社ある。今回再生支援の対象となったのは同HDや盛田のほか、乳製品製造、高級ホテル・レストラン向けの食材販売、老舗菓子店などの子会社。

 新型コロナウイルス禍で飲食店やホテルなどが影響を受け業績が悪化。23年3月期まで3期連続で赤字に陥っていた。

 同機構は「マネジメントキャパシティーを超えた企業群の形成や不十分な連結経営管理体制を起因として経営資源が分散し、グループとして保有する中核能力が十分に有効活用されていない状況」と指摘。万一、不測の事態に陥った場合、多くの雇用に影響を与える恐れがあり、地域経済への影響を踏まえ支援に乗り出した。

 支援内容として同機構は、第三者割当増資で20億円を引き受けるほか、総額24億5千万円の新規融資などを行う。また、事業再生計画では、製品の値上げや製品ポートフォリオの見直し、不採算子会社の売却などが盛り込まれた。この中に不採算工場の閉鎖として盛田日光工場が含まれる。

 同HDによると、日光工場は従業員数約30人。マルシチブランドのしょうゆなどの調味料や、しょうゆ以外の「盛田」ブランドの製品を生産している。閉鎖は「総合的に判断した」と説明し、時期については「これから決めていく。従業員雇用は配置転換で対応する」としている。

 盛田は13年、しょうゆや調味料醸造の日光の老舗・高橋弥次右衛門商店などを吸収合併し、日光工場を引き継いだ。