【鹿沼】10日に始まった「自殺予防週間」に合わせ、県と市は11日、仲町の「まちの駅 新・鹿沼宿」で高齢者に啓発グッズを配布し、悩みや不安を抱え込まず、相談する重要性を訴えた。
市健康課によると、市内の人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率は2022年に29・29人となり、21年の16・61人から急増。自殺者数全体のうち約半数を60~70代が占めているという。同課の担当者は「新型コロナウイルス禍もあり生活相談の件数は増加傾向で、内容も複雑化している」と懸念する。
啓発活動には県県西健康福祉センターや同課職員ら約20人が参加。相談窓口の連絡先が書かれたチラシなどを入れた袋200セットを、訪れた高齢者に手渡した。
同センターの塚田三夫(つかだみつお)所長(59)は「もし悩みがあれば一人で抱え込まず、周りの人や行政などの窓口に相談してほしい」と話し、自殺防止のための電話相談を受け付けている栃木いのちの電話(宇都宮センター028・643・7830、24時間対応)などの利用を呼びかけている。