【益子】県内自治体で図書館が唯一未設置の町は8日までに、図書館整備に向けた指針となる町図書館基本計画の素案を公表した。2026年度に着工し、27年度中の開館を目指す。図書館の設置場所は益子の町民センター敷地内とし、センター内の中央公民館や町民会館と併せて複合的な機能を持たせる。15日までパブリックコメントを実施し、町民からの意見を募る。
図書館整備は昨年4月の町長選で争点となり、新設ありきでなく機能重視の視点で再検討することを主張した広田茂十郎(ひろたもじゅうろう)町長が当選した。
その後、庁内に検討委員会を設置した。町役場周辺の土地区画整理事業地内への新設と町民センターの2案を比較検討し、今年3月に町民センターを候補地に選んだ。
町は当初、町民センターを増改築する形で図書館を整備する方針を示していたが、素案には「増改築」は明記されなかった。町によると、関係法令や整備費用などと照らし合わせ、新しい建物をセンターに併設することを含めて検討するという。
素案によると、延べ床面積は約2300平方メートルを想定。図書スペースのほか、読書や学習に用いるサイレントスペース、多目的、交流、カフェのスペースなども設ける。
事業費は今後の基本設計で積算する。財源の一部は国の都市構造再編集中支援事業の活用を想定する。運営は図書館と併設する町民会館と「一部共用することにより、効率的かつ適切な図書館運営に努める」とした。
素案は町役場や中央公民館、町ホームページなどで閲覧できる。広田町長は「町民に愛される図書館にしたい」として、施設に求める機能などの意見を募っている。(問)町教委生涯学習課0285・72・3101。