鬼怒川を中心に保全活動に取り組んでいる「うじいえ自然に親しむ会」

生きもの探しなどを楽しめる「じおらじお*」の活動

高橋伸拓会長

遠山あづささん

うじいえ自然に親しむ会イベント情報

鬼怒川を中心に保全活動に取り組んでいる「うじいえ自然に親しむ会」 生きもの探しなどを楽しめる「じおらじお*」の活動 高橋伸拓会長 遠山あづささん うじいえ自然に親しむ会イベント情報

 前回に続いて、とちぎ子ども自然体験活動ネットワークの加盟団体から、生き物観察を行っている「うじいえ自然に親しむ会」の高橋伸拓(たかはしのぶひろ)さん、「じおらじお*」の遠山(とおやま)あづささんに、活動への思いや栃木の自然の魅力についてうかがいます。(聞き手 同ネットワーク共同代表・真山高士(さなやまたかし))

 -まずは団体の特徴を教えてください。

 高橋 シルビアシジミの発見地・さくら市氏家の鬼怒川河川敷で保全活動を始め、年間約70回、保全活動や観察会などを実施しています。カワラノギクやツマグロキチョウなど、主にレッドデータブックに掲載される希少種を保全していましたが、近隣の市町まで活動を広げて生物多様性の保全に努めています。最近では鬼怒川の河畔林に自然観察の拠点を構えました。

 遠山 自然で遊びたいファミリー層を中心に、ネイチャーツアーを運営しています。お客さまに自然環境への理解を深めてもらいたいという思いから、バードウオッチングや生き物探しといった自然観察を主としたプログラムが多いです。

 -活動で大切にしていることを教えてください。

 高橋 今の子どもたちは水辺、森ともに自然体験の機会が少ないと感じています。草刈りや雑草の抜き取りが主ですが、友達と話しながらの保全活動で自然体験を兼ねることで「楽しい!」という声が聞こえ、リピートしてくれる子も増えていますね。音楽を聴いたり、サッカーをやったりしながら楽しく、仲良く活動することが継続につながると思っています。

 遠山 子どもたちには最初に「先生ではないよ」と伝えることで、「自分で見つけたい」という気持ちが高まります。自分で見つけた答えは簡単には忘れないので、質問されてもすぐに答えず、図鑑で一緒に調べます。自分で考え、見つけ、調べるくせを付けることで、生きていく力も身に付くと思います。

 -活動を通して子どもたちに伝えたいことは。

 高橋 さまざまな種に触れて、感じることで、生物多様性を心で理解してほしいと願っています。体験を伴った知識を得た上で、自分たちが生かされていることを感じてほしいです。

 遠山 幼少期に自然体験をしていれば、他を尊重することを学んだ大人が多くなり社会に良い影響が出ると思います。さまざまな生物がこの世界で生きていて、それぞれ役割があることを実感してほしいです。

 -活動に参加したい場合、どのようにプログラムを知ることができますか?

 高橋 同会ホームページ、観察会はさくら市ミュージアムホームページから予約できます。

 遠山 SNSやウェブに毎月のカレンダーを載せているのでご活用ください。

 高橋伸拓さん うじいえ自然に親しむ会会長。シルビアシジミ発見の地・さくら市氏家に生まれる。現在は平成理研に勤務する傍ら、鬼怒川での生物多様性保全に尽力している。

 遠山あづささん 自然体験お手伝いユニット「じおらじお*」代表。県民の森森林解説員、那須高原ビジターセンター副センター長などを歴任。那須、高原山を中心にネイチャーツアーを展開している。

■とちぎ子ども自然体験活動ネットワーク登録団体イベント情報

海キャンプ2023~遊んで感じる海とのつながり~(茨城県)
 ▽日時 9月16~18日
 ▽参加費 51000円(プログラム費、宿泊費、食費、保険代、交通費込み)
 ※詳細、申し込みは那須高原自然学校ホームページへ。