キャニオニングを楽しむ訪日客のグループ(日光ジャンボ提供)

 川下りの「ラフティング」や「キャニオニング」などのアウトドアアクティビティを栃木県内で楽しむ訪日客(インバウンド)が増えている。日光市でのアクティビティを中心に人気が高く、「お客さんが外国人だけの日もあった」という事業者や、新型コロナウイルス禍前より増えているとの声もある。訪日客を取り込もうと、新たな宿泊形態を用意する動きも出てきた。

 「コロナ禍前、外国人は多くて1割だったが、7月は外国人だけを受け入れた日もあった」。同市内でラフティングツアーなどを実施するNAOC(ナオック、日光市鬼怒川温泉滝)の増渕隆宏(ますぶちたかひろ)代表は驚く。

 6、7月はツアー客の6割を訪日客が占め、欧米の人が個人で予約するケースが目立つという。増渕代表は「口コミで広がっているのかもしれない。日本に長期滞在中の人が多く、何かアクティビティをしたいと考えるのでは」とみる。

 キャニオニングツアーを提供する日光ジャンボ(日光市久次良町)も、訪日客が増えた。昨年の5〜10月、外国人は5組ほどだったが、今年は既に10組を超えた。都内から電車で来県した日帰り客と宿泊客が半々ほどで、世界遺産「日光の社寺」と合わせ、アクティビティを楽しむという。

 関根宣行(せきねのぶゆき)代表は「海外は岩山が多い。日本の『緑に覆われた山や透き通った川がいい』と言っていた外国人もいた」と説明する。

 訪日客のアクティビティ需要を受け、奥日光の温泉旅館「ゆとりろ日光」は7〜9月、素泊まり用のドミトリー客室を用意した。1泊4500円からで、運営するリロバケーションズ(東京都新宿区)は「訪日客も早朝出発や食事なしが増えており、宿泊費を抑えようというニーズを取り込みたい」としている。

 同市観光協会は4月、市内の訪日客向けに調査を実施。「日光市の魅力を感じるポイント」(複数回答)で「自然」と答えた割合は53・7%と、10項目で最多だった。同協会は「自然への関心が高まってきたのはコロナが流行しだしたぐらいから。国も自然体験型観光を推進しており、今後もアクティビティを楽しむ外国人は増えるのでは」としている。