数々の縄文土器を紹介する「とちぎ縄文の夏」=15日午前、さくら市ミュージアム

 さくら市ミュージアム-荒井寛方(あらいかんぽう)記念館で15日、開館30周年記念特別展「とちぎ縄文の夏 5000年前の土器世界」(同館主催、下野新聞社共催)が始まった。県内外で出土した縄文土器を通じ、地域の成立を紹介する。8月27日まで。

 大規模な集落が形成され、本県と福島県の生活交流が徐々に広がった縄文時代中期にスポットを当てた。大田原市の長者ケ平遺跡や郡山市の妙音寺遺跡から出土した土器など約170点を展示。県内各地の祭祀(さいし)、儀礼、祖先崇拝に関する資料なども並ぶ。

 小竹弘則(こたけひろのり)館長は「縄文中期の土器は、北関東と東北地方の特徴を併せ持つ形が登場する。上部は、新潟県で生まれて会津地方を経由して県北に伝わった火炎土器で、下半分に地元で特徴的な形状なども見られる」と説明する。

 宇都宮市、公務員舘野昌史(たてのまさし)さん(55)は「(県北を中心とした)地域でも、縄文時代に細かい造形の土器が作られていたことが分かり、興味深い」と話していた。

 一般800円、大学生500円、高校生以下無料。(問)同館028・682・7123。