遠藤隼さん

 みなさん、こんにちは。昨年度は私の運営するサシバの里自然学校やそこで行われている自然体験について書かせていただきました。本年度は県内の仲間と共に行っているもうひとつの活動で、共同代表を務める「とちぎ子ども自然体験活動ネットワーク」について紹介したいと思います。

 2020年、新型コロナウイルスの影響で学校が休校になり、ステイホームで外遊びの時間が減り、子どもたちにとっても大変な時期が続いていました。そこで「自然の中で遊ぶ機会を失わないでほしい」と思いをともにする4団体(那須高原自然学校、サシバの里自然学校、とちぎYMCA、トチギ環境未来基地)が集まり、休眠預金活用事業を活用しチームを結成しました。

 コロナの混乱が落ち着き始めた21年ごろからは、密を避けることのできる屋外遊びとして徐々に自然体験への注目が集まってきました。そこで子どもたちや親御さんが自然体験と出合える場として「キッズネイチャーフェス」をスタート。名称は変更しましたが、体験会を22年秋までに計4回実施しています。

 こうした流れから「全ての子どもたちに自然体験の機会を届ける」というコンセプトを掲げ、団体の垣根を超えた「とちぎ子ども自然体験活動ネットワーク」が始まったのです。

 22年度までは団体それぞれの持ち味をいかしながら自然体験プログラムを行ってきました。子どもたちが置かれている状況の把握にも努め、経済的に困窮が進む家庭では「家庭の力だけでは子どもに自然体験の機会をつくることが難しい」という課題も知り、子ども食堂などの子ども支援団体との連携も進めました。

 また、多くの子どもたちへ体験の機会を届けるため、保育園・幼稚園・学童保育などと協力し自然体験の機会を設けるプログラムもおこなっています。

 現在、同ネットワークは県内各地で子どものための自然体験活動を行っている12団体にご登録いただいております。子どものための自然体験活動といっても、活動内容は団体によりさまざま。

 来月からは、登録団体を紹介していきたいと思います。もしかしたら、皆さんの地域で活動している団体や気になる活動をしている団体が見つかるかもしれませんよ。

(とちぎ子ども自然体験活動ネットワーク共同代表・遠藤隼(えんどうじゅん))

略歴

 サシバの里自然学校校長。2012年から約2年かけて、自転車でユーラシア大陸横断・南米縦断をした。作新学院大女子短大部非常勤講師。21年度宇都宮大大学院修了、研究テーマは「里山での幼児向け体験型環境教育の実践と評価」。