子どもたちがカレーを食べる様子に目を細めるKFCイオン那須塩原店のスタッフ

 【那須塩原】「ケンタッキーフライドチキン」(KFC)を運営する日本ケンタッキー・フライド・チキン(日本KFC、横浜市)は18日、調理済みのチキンを食材として子ども食堂に寄贈する支援活動を県内で初めて大山公民館内の「おおやまこども夢クラブこども食堂」で開始した。約50人の小学生が同社のチキンを使ってこしらえたカレーを味わった。

 同社は、社会貢献と食材の有効活用を目的に2019年11月、子ども食堂の支援活動を開始。今回は横浜市、川崎市、埼玉県、富山県、千葉県、沖縄県、宮崎市、長野県、鹿児島県に続く実施となる。同社からの問い合わせを受け、市が市内の子ども食堂に募集したところ4カ所が提供を希望したという。

 市内で食材を提供するのは、島方のKFCイオン那須塩原店を運営するフランチャイズ加盟店「チヨダコーポレーション」(前橋市)。店舗で売れ残った「オリジナルチキン」と「骨なしケンタッキー」を冷凍保存し、要望のあった子ども食堂に寄贈。チキンは解凍後に骨を外して加熱調理された上で子どもたちに提供される仕組みだ。

 18日に提供されたチキン約4キロ分はカレーの具材として使用され、食べた子どもたちの多くが「おいしい」と声を上げた。昨春から月に1回ペースで子ども食堂を運営するおおやまこども夢クラブの佐藤和仙(さとうかずのり)代表(56)は「これまで地元の方々の協力で食材を確保してきたが、新たに大きな企業に協力していただけることは非常にありがたい」と感謝する。

 KFCイオン那須塩原店の佐々塚政司(ささづかまさし)店長(55)は「まだ食べられるものを廃棄するのはもったいないと思っていた。子どもたちに喜んでもらい、SDGs(持続可能な開発目標)にもつながることはうれしい」と目を細めていた。日本KFC広報課の中川純一(なかがわじゅんいち)課長補佐(47)は「今後も取り組みを続け、他の自治体にも輪を広げていければ」と話していた。