協力して家事や育児を分担する浅見さん夫妻=11日午前、小山市

 洗い物中の夫にシンクの汚れを指摘した時だった。

 「やってほしいなら、頼み方ってのがあるだろ」

 夫の一言に、怒りがこみ上げた。「最後にシンクを一拭きしてほしかっただけなのに…」。怒りはやがて寂しさとむなしさに移ろっていった。

 パート勤務で、高校生と小学生の息子3人を育てる下野市の女性(50)。仕事から帰っても家での「無償労働」が続く。食事、ごみの分別、子どもの看病、洗濯-。無数の家事に忙殺されて自分の時間はほとんどない。

 夫は頼めばやってくれる程度。家庭内に漂う「男は仕事、女は家庭」という固定観念を息子たちも当然と思っている節がある。「親のありようからジェンダー教育は始まっている」

 だが、諦めたくはない。今後、家事分担について夫と話し合うつもりだ。いずれは夫婦2人の生活になる。「間に合うなら今からでもいい夫婦になりたい」