【日光】山内の小杉放菴記念日光美術館で6月25日まで、風景画から日光の魅力に迫るコレクション展「旅する日光」が開かれている。世界遺産「日光の社寺」や奥日光、街並みなどを描いた名作を一堂に並べ、絵画や資料を通じて日光を旅した気分が味わえる。同館の迫内祐司学芸員は「新型コロナウイルスが落ち着いてきたこのタイミングで、日光に関する作品を見てもらい、改めて日光の素晴らしさを感じてもらえれば」と話す。
日光の観光地は現在、コロナ禍から徐々ににぎわいが戻りつつある。同展は小杉や土産絵を描いた河久保正名、市出身の入江観さんらの作品約40点を展示し、さまざまな時代の日光の景色をたどることができる。
「社寺の美に酔う」「美しき奥日光」など場所ごとに4章構成で作品を紹介。「杉並木から門前町へ」の章では、日光街道と例幣使街道の分岐点に当たる追分地蔵尊周辺を描いた田淵保の1911年の作品「今市図」を紹介。現在と比べながら、当時のにぎやかさや街の雰囲気を感じることができる。
このほか、「外国人が見た日光」の章では、アルフレッド・パーソンズの「日光の小堂」やロバート・ウィアー・アランの「陽明門」など外国人画家の作品が並ぶ。迫内学芸員は「日本人とは異なる外国人ならではの視点で描いた日光を感じることができる」と説明する。
午前9時半〜午後5時(入館は4時半)。月曜休館。入館料は一般730円。21日と6月15日の午前11時からは、学芸員によるギャラリートークを実施。(問)同館0288・50・1200。