日光市で6月に開かれる先進7カ国(G7)男女共同参画・女性活躍担当相会合を控え、大田原署は19日、大田原市美原1丁目の東武宇都宮百貨店大田原店で、不審者対処訓練を行った。開催地ではないが、県内の「警戒の空白」をなくす取り組みの一環。
訓練には店や那須地区消防組合、市、県警から約50人が参加した。G7会合に不満を持つ男が店内で暴れ、客にけがをさせると想定した。
犯人役が突然店内で「おれはG7をつぶすため、ここで事件を起こす」などと叫びながら、女性店員に刃物を突きつけ、近くにいた店員が110番。「110番映像通報システム」を使い、現場の映像も県警に送った。
その後、犯人役はわめきながら続けざまに客役を切りつけ、そのうち重傷を負った1人に対し、駆けつけた救急隊員が心肺蘇生術を施した。複数の店員が刺股を手に犯人役を追い詰め、最終的に警察官が犯人を取り押さえた。
訓練後、平山信行署長は「関係機関の皆さんには熱心に取り組んでいただいた。これを機に連携を一層強化し、有事に備え万全の体制を取っていきたい」と講評した。矢板進次長は取材に「G7を前に、大勢の人が集まる商業施設で訓練を行い、警戒警備をさらに充実させる」と述べた。