【佐野】書道の教師や愛好家らによるグループ「彩書会」が、「第8回書画展」を市立吉澤記念美術館地域交流センター展示室で開いている。96歳の女性会員が約70センチ四方の書道用紙に大筆で書いた「兔(うさぎ)」などの力作39作品が展示され、注目を集めている。同展は16日まで。
彩書会は2年に1度、会員などが日ごろの取り組みの成果を発表する場として書画展を開催している。
前回は新型コロナウイルス禍のため、規模を大幅に縮小せざるを得なかった。今回は従来と同じ形でできたことに安堵(あんど)しているという。書家で役員を務める相子美恵子(あいこみえこ)さんは「多くの人たちが、この展示会を目標にして2年間、打ち込んでいるので本当にうれしい」と話す。
作品は約20人の会員を中心に6歳から96歳まで、癒やしなどを感じてもらう「心の道草」をテーマに創作した掛け軸や書、青墨や顔彩で彩った俳画と、多彩な作品が訪れた人たちの目を楽しませている。
特に今回の目玉の一つが96歳の相子温子(あいこあつこ)さん(会沢町)の作品。還暦の60歳を過ぎてから始めたという。「筆を執ると無心になれるのがいい。何を書こうかと考える時間も楽しい」と書道の魅力を語る。
ついたてに飾られた「兔」の文字は、自分と今年の干支(えと)であることから選んだ。重い大筆にもかかわらず、全く迷いを感じさせない太く、力強い文字が30年以上の蓄積を感じさせるなどと評判。「まるでウサギが跳ねているようで、見ていると元気が湧いてくる」との声も上がっている。
同展は入場無料。午前10時~午後4時、最終日は午後3時半まで。