新型コロナウイルスに感染した栃木県内在住の10歳未満の子ども2人が昨年夏、状態が悪化し、搬送先の病院で死亡していたことが30日、関係者への取材で分かった。県は「遺族の意向」として、年代などを公表していなかった。県内では昨年4月、コロナに感染した10歳未満の女児が急性脳症で亡くなった。コロナによる10歳未満の死亡は計3人となっている。
関係者によると、1人は昨年7月下旬、自宅で療養していたが状態が悪化し、県南の病院に入院した。さらに容体が悪くなったため転院先を探したが県内では見つからず、埼玉県内の病院へ搬送され、翌日に心筋炎で死亡した。
別の子どもは昨年8月中旬、自宅療養中に激しいけいれんを発症。県南の病院へ救急搬送されたが、入院中に急性脳症で亡くなった。
県は通常、コロナで死亡した患者の性別や年代を発表している。昨年4月に女児が亡くなった際も公表していたが、7、8月の死亡事例では年代や性別を「非公表」としていた。
県感染症対策課は「死者の年代を問わず、遺族から強い意向が示された場合は死者の年代や性別を非公表とすることはある」と説明している。