的に向かって矢を放つ7歳の男児ら

 【鹿沼】樅山町の生子(いきこ)神社で8日、市無形民俗文化財の「日の出祭り」が行われ、地域住民らが魔よけや豊作を祈願した。

 かつて天然痘で子を亡くした氏子が42種の供え物を供えて蘇生を願った「生子大明神」の故事が由来。例年、タイなどを神前に供える神事「献饌(けんせん)祭」、子どもたちによる「弓取り式」、太々神楽の奉納などを行っている。

 この日は神事で宮司が祝詞を読み上げ、氏子らが玉串を奉納。弓取り式では本年度7歳になる男児が、氏子に手を添えてもらいながら大蛇の目に見立てた金銀の紙を貼った的へ矢を放ち、5歳の男児が当たった矢を拾い集めた。

 北押原小1年武藤光生(むとうこうき)君(7)は「矢を飛ばすのは難しかったけど楽しかった」と笑顔。新型コロナウイルス禍で子ども参加の弓取り式は3年ぶりとあって、倉持和司(くらもちかずじ)氏子総代代表(73)は「やはり子どもが参加してくれるのが本来の祭り」と安堵(あんど)の表情を浮かべていた。