栃木県内の公立中学校の9割近い教員が部活動の顧問を負担に感じていることが、県教委が21日までに実施した意向調査で分かった。時間的拘束や慣れない指導を理由に挙げる教員が多かった。休日の部活動を地域のスポーツ団体などに委ねる「地域移行」には6割が肯定的な回答を寄せた。
調査は教員の働き方改革を踏まえ、7~9月に初めて実施した。対象は公立中の教員3807人で、有効回答数は2092人(55・0%)。内訳は運動部の正顧問が44・5%、副顧問31・5%、文化部の正顧問9・0%、副顧問7・8%。顧問ではない教員は7・3%。
正顧問(1118人)のうち負担が「とても大きい」と答えたのは39・8%で最も多く、「大きい」(28・1%)、「やや大きい」(18・3%)と合わせて86・2%に上った。一方、「大きいとは思わない」は13・8%にとどまった。
理由は「時間的拘束」が69・8%で最多。「慣れない指導」が34・7%、「保護者からの期待」が28・6%と続いた。受け持つ部活動の経験がなく「自信を持って指導できないことが苦痛」「指導力の差が技術の差につながり、生徒に申し訳ない」といった悩みも挙げられた。
部活動の在り方を変える必要性について「とても必要」が44・6%、「まあまあ必要」が21・5%と、改善を求める声が6割を超えた。部活動の地域移行に関しては「おおいに賛成」が37・1%、「賛成」が23・2%で、合計すると6割を占めた。
地域移行後も指導を希望する教員は学校の許可を得て「兼職」として指導に携われるが、兼職による指導を「全くしたくない」が31・6%、「できればしたくない」が22・7%で、合わせて半数以上となった。「どちらとも言えない」は27・1%。「できればしたい」(11・3%)、「是非したい」(7・4%)の合計は2割に満たなかった。
調査結果を受け、県教委スポーツ振興課は「部活動は長らく教員の使命感に支えられてきた。地域移行は指導者の確保など課題はあるが、保護者の理解も得ながら子どもたちにとってベストな形を検討していきたい」としている。