イチゴの生産量日本一の栃木県、2位の福岡県をそれぞれ拠点とする下野新聞社(宇都宮市)と西日本新聞社(福岡市)は11月、イチゴの消費動向を探るウェブアンケート「皆さん、イチゴ大好きですか?」を合同で実施した。「最も好きな品種」について尋ねたところ、栃木県では「とちおとめ」が46.3%に達し、新品種の「とちあいか」が26.2%、「スカイベリー」13.7%と続いた。一方、福岡県では「あまおう」が65.4%と断トツだった。品種が豊富な「総合力の栃木」と、「あまおう1本の福岡」の戦略が消費動向にも鮮明に表れた。

好きな果物を聞いた項目で最多だった「イチゴ」
好きな果物を聞いた項目で最多だった「イチゴ」

 調査は、両社が無料通信アプリLINEなどを通じて回答への協力を呼びかけ、下野新聞社は11月7~20日、西日本新聞社は同14~20日に実施。国内38都道府県と海外の読者やフォロワーら計1386人が回答した。このうち栃木県在住は503人、福岡県在住は584人、その他が299人だった。

 好きな果物を17項目の中から複数選んでもらったところ、イチゴが66.4%で最多となった。年代別で見ると、70代以下の全ての年代でトップとなり、高い人気ぶりが証明された。居住地別では、栃木県在住者の78.5%、福岡県在住者の55.5%がイチゴを選んだ。

 ちなみにイチゴに続いて支持を集めたのはモモ(30.8%)、ナシ(26.6%)だった。

あまおう
あまおう

 「食べたことのあるイチゴの品種」を全て答えてもらう設問では、全体のトップとなったのが「あまおう」で86.0%。2位は、栃木県で開発された育成品種の「とちおとめ」で70.3%。一方、栃木県の次世代エースと位置づけられている「とちあいか」は33.5%と、今後の伸びしろが期待される。

 さらに「食べたことのある品種で最も好きなもの」について尋ねると、あまおうが36.9%を占め、次点のとちおとめ(22.2%)を引き離した。ただ、3位とちあいか(10.0%)、4位「スカイベリー」(6.4%)といずれも栃木県の育成品種が上位に並び、栃木県の3品種の合計(38.6%)と、あまおうが拮抗(きっこう)した格好。「総合力の栃木」と「あまおう1本の福岡」を象徴する結果となった。

 年代別では、普及品種のとちおとめが30代以下の支持を集めており、高級品種のあまおうは50代以上で人気が高かった。

とちおとめ
とちおとめ

 「イチゴ産地として思い浮かべる県」を尋ねると、栃木県が50.9%とトップ。2位は福岡県の41.8%で、両県で9割超を占めた。自分の居住地を挙げたのは、栃木県民が97.4%、福岡県民は80.3%で、双方とも愛郷心の強さがうかがえた。

栃木県民と福岡県民の「最も好きなイチゴの品種」と「イチゴの産地と聞いて思い浮かべる県」
栃木県民と福岡県民の「最も好きなイチゴの品種」と「イチゴの産地と聞いて思い浮かべる県」

 シーズン中(12~5月)にイチゴを食べる頻度を尋ねたところ、最多は「シーズン数回」が39.0%。次いで「毎週食べる」が28.3%だった。頻度の高い層と、低い層に二極化している傾向が見て取れる。栃木県に限れば、「毎週食べる」層が34.4%に上り、全体平均を上回った。

イチゴのショートケーキ
イチゴのショートケーキ

 「イチゴを使った好きな食べ物」では、生食が75.7%で断トツ1位。2位はショートケーキで48.5%、3位はイチゴ大福の37.2%。居住地域にかかわらず同じ順位となった。

イチゴ大福
イチゴ大福

 栃木県民と福岡県民の回答結果は以下の通り。

 全体の回答結果は以下の通り。