栃木県真岡市物井の桜町二宮神社などが主催する「二宮尊徳(にのみやそんとく)先生桜町赴任200年記念プロジェクト」が今月始まった。尊徳が桜町に赴任したとされる20日は、同神社で200年記念祭赴任感謝奉告祭が執り行われた。同神社宮司を兼務する大前(おおさき)神社の柳田耕太(やなぎたこうた)宮司(72)は「尊徳先生の生き方がコロナ禍にある私たちに多くの生きる希望を示してくれる。プロジェクトを推進していきたい」と話している。
プロジェクトでは「尊徳祭」を実施するほか、尊徳ゆかりの祭礼行事や郷土文化を振興する。尊徳が手がけた農村復興も研究し、こうした情報を発信する。
尊徳は1787年、現在の神奈川県小田原市生まれ。小田原藩家老への奉公における財政再建策などが評価され、藩主の命で分家の領地であった野州桜町領(現真岡市)へ一家そろって赴任したのが1823年。前年22年は赴任の命を受けて既に訪れていた。その後、長年にわたり桜町周辺の農村復興に取り組んだ。
尊徳と桜町の関わりが200年にわたることから、今回のプロジェクトを始動した。共催には周辺に所在する寺「蓮城院」や物部地区区長協議会などが名を連ねる。
20日の神事には約15人が参加した。桜町二宮神社で柳田宮司が祝詞を上げ、そばを特別に献上した。同神社氏子会の豊田宣雄(とよだのぶお)会長(69)=物井=は「200年祭を機に、尊徳先生の偉業をもっと多くの方に知ってほしい」と述べた。
尊徳の命日に当たる11月17日には、同神社などで200年記念大祭例祭と尊徳祭開始奉告祭を執り行う。