女子最年長で2度目の五輪に挑む石原=5月18日のテスト大会、都内

 静かな山あいに銃声がこだまする。実家で所有する鹿沼市草久の古峰ケ原射撃場。新型コロナウイルスの影響で環境が激変する中でも「コツコツと、着々と」クレーを撃ち抜き続けた。

 初出場だったリオデジャネイロ五輪の18位は苦い思い出だ。「努力してきたつもりだったが、他の選手の方が実力も努力も上だった」と世界の壁の高さを痛感した。以降は海外からコーチを招き、射撃能力を追求した。コロナ禍でジムに通えない日々が続いても、視野のトレーニングや不足している栄養素を見つける体の検査など、できる限りのことはやってきた。

 自前の射場があるため、この1年間の練習量は確保できた。ただ本来は実戦を重ねながら調子を上げていくタイプ。「海外の高いレベルで試合ができなかった」と試合勘を養えていない。

 オンラインで開かれたアジア規模の大会は情報が入らずに不参加。ワールドカップなどへの派遣があるかどうかも「日本協会から連絡がないので分からない」と不安を募らせた。外国人選手と連絡を取り合い、「海外はどんどん試合が行われてる。無理してでも行った方がいいのでは」と悩んだこともあった。

 国内トップ選手のみで行った5月のテスト大会は男子を含め6位で「良くなかった」。それでも「五輪でベストを出せるように練習してきた。正確性、技術、メンタル面は確実に上がっている」と自信をのぞかせる。

 46歳は東京五輪日本代表選手全583人のうち全体で2番目、女子では最年長。2度目の挑戦は「こんな年を取っても五輪が目指せる競技だというのも見てもらいたい」とベテランの誇りを胸に射台に立つ。

 【プロフィル】いしはら・なおこ 1974年生まれ。鹿沼市出身。昭和女子大卒。32歳でクレー射撃を始め、2016年リオデジャネイロ五輪女子スキート代表。19年アジア選手権で日本人最上位となり東京五輪代表に内定。古峯神社権禰宜(ごんねぎ)。鹿沼市在住。