サークル内での決定的な仕事が期待される村田和麻(日本協会提供)

 宮本武蔵(みやもとむさし)-。日本代表のシギ・アイクマン監督から選手一人一人に武将などの名前を付けられている「サムライジャパン」で、天下無双の剣豪の名を授かる。

 立山連峰を望むホッケーの街、富山県小矢部市生まれ。小学4年でスティックを握り、一時両立していたサッカーよりホッケーを選んだ。6年時は全国大会準優勝に輝き、石動高3年では全国高校総体を制した。

 高校卒業と同時に競技を辞めて就職も考えたが、監督に「それだけ力を持っているんだから続けろ」と背中を押され山梨学院大へ進学。日の丸を背負って五輪開幕を待つ今は「続けてよかった」と恩師に感謝している。

 当時弱小だった診療印刷に入団した社会人1年目、22歳の村田は考えていた。「個人プレーで活躍できるかもしれないが、それではホッケーが楽しくない。チームとして戦わなければ」

 自らの役割を見つめ直し、「個」より「和」を重視するようになった。「周りの選手を使う、生かすのもうまい」とチームメートの落合大将(おちあいひろまさ)が言う、今のプレースタイルが確立された。

 点取り屋のイメージだが、FWの経験はほぼ社会人になってから。それまではMFとして中継役やゲームコントロールを任されていた。日本代表では4年前に豪州で行われた大会で一時的にFWでプレーし、パキスタン戦でゴールを挙げるなど結果を残して定着した。

 「必要な時に決定的なゴールを挙げてくれる。戦いを好み、多くの場合勝利する」と指揮官は絶大な信頼を寄せる。「1対1など勝負は好き。勇気を持って向かっていきたい」。刀をスティックに持ち替えて世界の強敵を斬っていく。

 【プロフィル】むらた・かずま 1991年生まれ。富山県出身。富山・石動高-山梨学院大。日本リーグ2部の小矢部などでプレーし、2020年にリーベ栃木に入団。グランディハウス勤務。14年から日本代表。キャップ数120。175センチ、62キロ。29歳。