皆さんは「酒どころ」と言えば、どの都道府県を思い浮かべるだろうか。灘や伏見など江戸時代からの銘醸地として知られる兵庫県や京都府か。それとも1980年代に「淡麗辛口」ブームの火付け役となった新潟県か。はたまた近年、人気銘柄を数多く送り出している秋田、山形、福島といった東北地方の各県か。いずれにしても「栃木県」の名前を挙げる人は、そう多くないだろう。しかし、断言しよう。「栃木の日本酒のレベルは、これらの所謂『酒どころ』に決して劣っていない」と。

 菊の里酒造
 宇都宮酒造
 小林酒造
惣誉酒造

 大那の銘柄で知られる菊の里酒造(大田原市)。那須町黒田原地区の契約農家の酒米を使ったその酒は、飲んでほっとするような「癒しの酒」。2杯、3杯と杯を重ね、気が付けば一升瓶が空いてしまうような飲み口だ。宇都宮酒造(宇都宮市)が醸す四季桜は鬼怒川伏流水を仕込み水に使い、キレの良さ、ほのかな甘みなどが特徴。2019年の大嘗祭で使用された栃木県オリジナル米「とちぎの星」を使った純米酒も話題となった。小林酒造(小山市)の鳳凰美田はそのフルーティーな味わいで、今や全国区の人気となっている。「飲み飽きしない、飲み疲れしないお酒」がモットーの惣誉酒造(市貝町)は、2020年の関東信越国税局酒類鑑評会において吟醸酒、純米吟醸酒の2部門で最優秀賞を獲得する快挙を成し遂げた。

 日本酒業界における栃木県の酒蔵の躍進は目覚ましいものがある。独立行政法人酒類総合研究所などが主催する全国新酒鑑評会では多くの酒蔵が金賞を獲得。インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)やSAKE COMPETITIONといった国内外の日本酒コンテストでも、毎年のように上位入賞を果たしている。なぜ「栃木の日本酒は旨い」のか。そこには名水をはじめとする豊かな自然環境、品質の高い米といった基本的な要素だけでなく、酒造りに携わる多くの関係者のたゆまぬ向上心がある。

 2020年の都道府県魅力度ランキングではまさかの最下位となってしまった栃木県だが、いやいや、この地には多くの魅力的な日本酒、「とちぎ酒」があふれている。皆さんにもぜひ、今宵の晩酌は「とちぎ酒」を選んでもらい、最上のひと時を楽しんでほしい。

動画で詳しくみる:https://www.shimotsuke.co.jp/feature/movemate/articles/6038aa88776561343e000000

 

 

【好評発売中!】

とちぎ酒で乾杯
~水、米、人が織りなす結晶~

下野新聞社 企画・編集
定価1,650円(本体1,500円+税)
A5判並製/144ページ/オールカラー
21/03
ISBN978-4-88286-790-6

詳しくは【こちら