県内14市町に大雨特別警報が出されるなど記録的な豪雨をもたらした台風19号の影響で、県内各地で河川の堤防決壊や氾濫、道路冠水などの被害が相次いだ。各地の警察や消防によると、豪雨に関連するとみられる事故で13日午前11時半現在、足利と栃木、鹿沼市で男女計4人の死亡が確認された。同日未明の時点で、全25市町で計約1万9800人が避難を続けていた。県内の大雨特別警報は同日未明、解除された。

 足利市寺岡町の水田では同日午前3時10分ごろ、水没した車両から女性2人と男性1人が救助されたが、女性1人が死亡。他の2人は命に別条はなく「避難所に向かう途中だった」と話しているという。同日午前4時半ごろには栃木市薗部町3丁目の用水路で、行方不明になっていた女性が心肺停止状態で発見され、その後、死亡が確認された。

 また同日午前5時5分ごろ、鹿沼市草久の県道で、男性の軽乗用車が陥没した道路に転落。後続の別の男性のトラックが軽乗用車の屋根を押しつぶし、軽乗用車を運転していた男性(47)が死亡した。同市日光奈良部町の黒川では12日夜から、同市茂呂の男性(70)の行方が分からなくなった。13日朝から消防などが捜索したところ、同市奈佐原町の黒川河川敷で土砂に埋もれた乗用車が発見され、中から行方不明の男性とみられる遺体が見つかった。

 12日午後7時20分ごろ、佐野市赤坂町の秋山川右岸の堤防が増水の影響で約20メートルにわたり決壊し、周辺一帯が大規模に浸水した。川の近くに住み、避難した同市大橋町、無職石川一男さん(73)は「いきなり水が増えた。あのまま自宅にいたら死んでいた」と恐怖を振り返った。

 大田原市北大和久の蛇尾川でも13日未明、左岸の堤防が約200メートルにわたり決壊、付近の水田や道路に濁流が押し寄せた。近くには特別養護老人ホームや民家があり、一時孤立状態となったが、人的な被害は出ていない。宇都宮市の田川や栃木市の永野川なども氾濫した。

 県は12日夜、自衛隊に災害派遣要請を行い、その後特別警報が出された14市町に災害救助法の適用を決定した。13日午前8時半から県災害対策本部会議を開催。福田富一知事は「人命を第一に、全庁を挙げて応急対応に当たってほしい」と求めた。

 県によると、県内5病院が浸水などの被害を受け、うち1病院について早急な対応を進める。同日午前6時現在、判明しているだけで県内で床上浸水23棟、床下浸水63棟。交通網もJRや東武鉄道、関東バスなどで運休や運転見合わせが出ているほか、各地で道路の通行止めも相次いでいる。


【号外】台風19号 各地で猛威(表面)  (裏面)