総合グランプリに輝いた長谷川さん

 【足利】社会に貢献する女性を発掘するコンテスト「ビューティージャパン2025日本大会」が先月開かれ、ブランド牛「足利マール牛」などの生産を行う長谷川農場(羽刈町)のブランドマネジャー長谷川紀子(はせがわのりこ)さん(40)が最高賞の「The ONE」に輝いた。長谷川さんは「農業仲間から『自分も頑張ろうと思った』などと言ってもらいうれしい。挑戦して良かった」と喜びを語った。

 同コンテストは女性を外見的な美しさだけで評価せず、知識や才能、社会活動などの側面から評価することを目的に、2019年に始まった。農家や芸術家、起業家などさまざまな女性が出場する。出場者は交流サイト(SNS)やブログを通じた自身の取り組みのPRのほか、大会会場でのプレゼンなどを実施。創造性を審査する「エンターテインメント」、社会貢献度などを審査する「ソーシャリティ」など計7分野で評価され、各分野のグランプリと総合グランプリ「The ONE」が決まる。

 今年は国内30カ所で実施する地方大会に過去最多の計1013人がエントリーし、92人が日本大会に進出。長谷川さんは最高賞のほか、ソーシャリティ部門のグランプリも受賞し2冠だった。

 「受賞することで長谷川農場をPRするほか、地域を盛り上げたいと思った」と長谷川さんは、「かかりつけ農家を持つ社会へ」をテーマにプレゼンした。国内の食料自給率が約38%と低く、多くを輸入に頼っている現状について「食料を輸入に頼ることは他国に命を預けているということ」とし、国内の農家の必要性、重要性などを強調。プレゼンの説得力と、その価値観を食育プログラム、産地直売などで形にしてきた取り組みが評価されたという。

 見事2冠に輝き「この称号をフルに活用したいです」とほほ笑む。「大会を通じて培った発信力を生かし、マール牛だけでなく、市の魅力発信に取り組んでいきたい」と意気込みを語った。