日本原子力研究開発機構(原子力機構)の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)でナトリウム漏えい事故が起きてから8日で30年となった。すでに決まっている廃炉は2047年度までに完了する計画。ただ一部に遅れも出ており作業は難航が予想される。国は敷地内に新たな試験研究炉を建設する方針で検討中だが、詳細は決まっていない。
原子力機構は8日「廃止措置完遂に向け、海外で得られた知見も活用し、安全確保を最優先に確実に取り組む」とのコメントを出した。
もんじゅは燃やした以上の燃料を生む「夢の原子炉」との触れ込みで1995年8月に初送電した。同年12月8日、2次系配管から冷却材の液体ナトリウムが漏れ出す火災事故が発生。原子力機構の前身の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が事故直後の映像の一部を隠蔽するなど、不適切な対応が相次いだ。
2010年に運転再開したものの、同年に原子炉内の装置が落下する事故が発生。その後も機器の点検漏れが大量に発覚し、16年に廃炉が決定した。
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